東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1020号 決定
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〔決定理由〕三、次に附随の処分について検討する。
(一) 資料によれば、
1 本件借地は昭和二二年二月二日申立人の父が前土地所有者から普通建物所有目的で賃借し、その後昭和三二年申立人が父から地上建物の譲渡を受けて借地権を承諾し、相手方は前土地所有者から昭和三四年土地を買受けたもので、借地権の約定期間は昭和五二年二月二四日までであること、
2 これまで賃料のほかには、権利金等の金銭の授受のないこと、
3 現存建物は申立人の母が居住しているが、昭和二二年の建築で相当老朽していること
4 改築後の建物は自己使用のほか一部貸室として利用する予定であること、
5 相手方は本件借地に隣接して住居および自ら経営する会社の社屋を所有し、その事業のため本件借地の返還を強く希望し、従前から再三にわたり申立人と交渉したが価格の点で話合がつかず、現在も新宿簡易裁判所に建物および借地権買受けについて調停申立中であること、以上のような事実が認められる。
(二) 鑑定委員会は、本件改築許可に伴い、借地人に財産上の給付を命ずることを相当とし、その額について本件借地の更地価格を三、三平方米あたり二六万円、建付減価を3.3平方米あたり一万円、借地権価格を建付価格の七〇%にあたる四三八万〇二五〇円(3.3平方米あたり一七万〇〇〇円)と評定した上、改築承諾料を含む更新料として期間を改築許可の時から三〇年とすることを前提として、借地権価格の一二%にあたる五二万五、六三〇円を給付額とすることを相当としている。
(三) 当裁判所は前記借地権の残存期間、借地に関する従前の経過等一切の事情ならびに鑑定委員会の意見を考慮し、次のとおり判断する。
1 借地期間の点については、本件改築許可の裁判により借地法第七条の規定によつて建物とりこわしの日から二〇年存続することとなるので、これを鑑定委員会の意見が前提とするように、特に三〇年に延長する必要は認められない。
2 本件改築により借地期間が延長されることによつて相手方は不利益を受けると認められるので申立人に財産上の給付を命ずるのが相当であり、その額は前記諸事情を考慮し、鑑定委員会の意見による借地権価格の約五%にあたる二二万円を相当と認める。 (白石悦穂)
現存建物および増改築の内容
一、 現存建物
木造瓦葺平家建居宅
床面積 38.84平方米
二、増改築の内容
右建物を取りこわし、次の建物を新築する。
木造トタン葺二階建居宅
床面積 一階 45.36平方米
二階 40.50平方米
以上。